ネーミングからブランディングまで、ビジネスを一気通貫でサポート。商標や意匠を専門とする国際派弁理士・不留川智子
INTERVIEWEE
アイフロンテラ国際商標特許事務所 弁理士
不留川 智子(本名 古川知子)
学習院大学文学部哲学科卒業後、パリ第4大学にて美学専攻。
帰国後、仏系テキスタイルメーカー、在日チュニジア大使館においてプレス担当として勤務。
2008年弁理士登録。
都内特許事務所にて、商標および意匠を手がける。アパレル、シューズメーカー、通信会社、医薬品、化学品、医療機器などグローバル企業を始めとする様々な企業の商標・意匠案件を担当。累計担当案件は商標約3000、意匠約300件以上。
国内での商標・意匠権の権利取得のほか、世界150カ国以上での権利取得の経験も豊富。
国際会議への出席多数。世界各国の弁理士・弁護士との緊密なネットワークを誇る。
2021年9月、i::Frontterra(アイフロンテラ)国際商標特許事務所を設立。商標弁理士としての経験を活かし、
法的に安心で、マーケティング訴求力を追求したネーミングサービスを開始。
ビジネスモデルデザイナー®として、スモールビジネス向けの起業コンサルティングもスタート。九星術鑑定士でもあり、九星術を活用した経営コンサルティングもおこなう。
2022年3月、商標顧問としてエスキューブ国際特許事務所に参画。
弁理士とは:弁護士や税理士、行政書士と同じく、八士業に分類される職業の一つ。知的財産のスペシャリストとして「特許権」「実用新案権」「意匠権」「商標権」を取得したいクライアントのために、特許庁への手続きを代理することを主な仕事とする。知財の取得だけでなく、模倣品などのトラブルに関する相談も受け付けている。
特許権:程度の高い発明、技術的アイデア(例:歌唱音声の合成技術など)
実用新案権:発明ほど高度ではない小発明(例:鉛筆を握りやすい六角形にするなど)
意匠権:物や建築物、画像のデザイン(例:立体的なマスクなど)
商標権:商品またはサービスを表す文字やマークなど(例:会社のロゴなど)
九星術鑑定士であり、ビジネスモデルデザイナー®の資格も持つ、弁理士の不留川智子氏。同氏はフランス系テキスタイルメーカー(日本支社)での社長秘書や在日チュニジア共和国大使館での広報を経て、39歳で弁理士になったというユニークな経歴の持ち主だ。
フランス語話者であり、ビジネスに関する知見も豊富な同氏が、なぜ弁理士になろうと思ったのか?弁理士になるまでの経緯や現在の仕事について話を伺った。
専門は商標と意匠。クライアントの収益を最大化する弁理士
—【聞き手:松嶋、以下:松嶋】最初に自己紹介をお願いします。
—【話し手:不留川 智子氏、以下:不留川】古留川智子と申します。現在はアイフロンテラ国際商標特許事務所で、商標と意匠を専門に知財の出願を請け負っています。
—【松嶋】特許の場合は各弁理士で専門分野が異なるとお聞きしましたが、商標や意匠もそうなのでしょうか?
—【不留川】商標や意匠については、専門分野という区別はなくて、基本的に全て対応しています。クライアントでいうと、SNSで活躍されているインフルエンサーやアパレル企業、IT企業、製薬会社が多いですね。
—【松嶋】インフルエンサーからの依頼もあるのですね。その場合はどのような依頼が多いのですか。
—【不留川】その方の活動によって依頼内容はさまざまですが、わかりやすいものでいうと、チャンネルやアパレルブランドの名前およびロゴなどの商標ですね。あと最近多いのは、スクール事業などをされている方で「スクール名の商標を登録したい」とご相談いただくこともあります。そのほか、キャッチコピーを登録したいというご相談もあります。
—【松嶋】クライアントの方から「商標を登録したいから出願してほしい」という依頼がくるのですか?
—【不留川】そういったケースもありますが、一番多いのは「商標権を取った方がいいのか、自分では判断できないため相談に乗ってください」というご依頼です。
知財は「取得すれば権利が守られる」といった単純なものではなく、目的を明確にした上で出願しないと、意味のないことになってしまう可能性もあるんです。そのため、ご依頼をいただいた際は、まず「何のために権利を取得したいのか?」といった質問をするようにしています。クライアントの収益を最大化するために、ヒアリングを通してベストな方法を私の方からご提案するという流れですね。
—【松嶋】特許の場合は「技術が外部に公開されるというリスク」も含んでいるそうですね。商標や意匠を出願する場合に考えられるリスクはあるのでしょうか?
—【不留川】商標や意匠の場合は出願すること自体のリスクはあまりないと思いますが、必要のない権利を取得してしまう可能性はあります。例をあげると、権利を取得したから大丈夫だと思っていたのにトラブルが発生した際に「役に立たない権利」だったと判明して、裁判などで負けてしまうというケースはありますね。
権利を取得する目的を明確にする必要があるのは、カン違いで間違った権利を取得してしまって後々のトラブルに巻き込まれるといった事態を防ぐためでもあります。ただ、商標や場合は、権利を取得しなかった時のリスクの方が怖いです。
—【松嶋】取得しない場合、具体的にはどういったリスクがあるのでしょうか。
—【不留川】有名なケースだと、2016年ごろに世界的なブームとなったピコ太郎さんの「PPAP」や「ペンパイナッポーアッポーペン」の商標問題があります。当時はテレビでも取り上げられていたため、覚えている方もいらっしゃるかもしれませんね。ピコ太郎さんとは無関係の企業が、これらの商標をエイベックス社よりも先に出願していたのです。
日本の商標法では早く特許出願した人に商標権を与える「先願主義」というルールを採用しているため、知財の出願は早い者勝ちなんですよ。この件については無関係の企業の出願が出願却下処分となったようですが、多くは先願主義のルールに則って処理されるため注意が必要です。
—【松嶋】自分のアイデアが、知らず知らずのうちに他人のものになっている可能性があるとは……。想像しただけでゾッとしますね。
—【不留川】商標権を取得せずにマーケティング、ブランディングをするというのは「空き地に家を建てるようなもの」なんです。土地の権利者が現れたら家を取り壊さないといけなくなるかもしれない。もしくは「土地を使用しても良いけれど、賃料を払ってください」と言われてもおかしくはありませんよね。本当に怖いことなのですが、商標権を取得しないことのリスクは意外と知られていないように思います。
—【松嶋】気がついた時にはもう遅いと言いますか。
—【不留川】ガンになってからガン保険に入ることができないのと同じで、先に登録されたものを覆すことは難しいです。「資金が用意できてから出願したい」という気持ちもわかるのですが、早めに行動された方が良いと思います。
内容によって金額は異なりますが、事務所によっては15万円もしないくらいで出願してくれるところもありますし、初期投資だと思えば決して高くないと思います。何百万、何千万円もの宣伝広告費をかけてから名前が使えなくなるケースもありますから。
私としては、初期段階では必要なところの権利だけ押さえておいて、事業が拡大してきた段階で一度見直しするのをおすすめしています。
「海外とのパイプがある仕事」を探し、見つけた弁理士という仕事
—【松嶋】過去のお話もお伺いさせてください。弁理士になる前は、別のお仕事をされていたそうですね。
—【不留川】はい。社会人として一番最初に働いたのは、フランス系テキスタイルメーカーの日本支社です。そこで、フランス人社長の秘書を2年ほどしていました。
—【松嶋】そういえば、フランス留学の経験もあるそうですね。フランス語はどこで学ばれたのですか?
—【不留川】フランス語を最初に学んだのは高校です。日本にあるカナダ系のカトリックの学校で、必修科目にフランス語があったんですよ。大学でも哲学科で西洋美術史などを学びながら、第二外国語としてフランス語を勉強していました。卒論のテーマを西洋美術にしたため、文献でフランス語を読むことになり、真面目に勉強をしていましたね。
—【松嶋】なるほど。学生時代にフランス語を身につけたのですね。弁理士になるまでは、ずっとフランス系テキスタイルメーカーで働かれていたのですか?
—【不留川】いいえ。そのあと、在日チュニジア共和国大使館に転職しました。秘書よりも積極的に動く仕事をしたいなと思い、自由に挑戦できて、かつフランス語を扱えるところを探して見つけたのが大使館の求人だったんです。(※1)
大使館では6年ほど広報をしていて、日本の旅行代理店や航空会社とタイアップしたり、チュニジアを知ってもらうためのイベントを開催したりしていました。あとはプレスツアーで、トラベルライターやジャーナリストをお招きして、チュニジアに取材旅行に行くこともありましたね。一般の方からの問い合わせ対応やメディアへの対応も私の仕事だったため、2002年に開催された国際的なサッカー大会でチュニジアが日本の対戦国になった際には、マスコミ対応で倒れそうになったのを覚えています(笑)。
—【松嶋】幅広く対応されていたのですね。チュニジアというと、どちらかというとマイナーな国だという印象がありますが、なぜチュニジア大使館を選ばれたのですか?
—【不留川】転職する前の私にとっては未知の国でしたし、楽しそうだなと思ったんです。働く前からワクワクしていましたし、実際に働き始めたあとも裁量を持って自由に挑戦させていただいて、とても楽しかったです。大使館では6年ほどお世話になりました。
—【松嶋】楽しかった大使館の仕事を辞めようと思ったきっかけは何だったのですか。
—【不留川】ずっと同じことをしていると、新しいことに挑戦したくなるんですよ。あとは小さな国の大使館のグローバルスタッフは正規雇用でないことが多く、未来が見えないことを不安に感じるようになった、というのもあります。
新しい道がないかと探しはじめた時に、海外とのパイプが強い仕事だけは譲れなかったので、そこを軸に調べて弁理士に行き着きました。
—【松嶋】実際に弁理士として働き始めて、海外企業からの依頼も多かったのでしょうか?
—【不留川】独立する前に10年ほどお世話になった事務所では、海外企業からの依頼を担当することが多かったですね。
※1…チュニジアの公用語はアラビア語だが、1956年までフランスの植民地だったためフランス語が広く使われている。
弁理士=クライアントのビジネス成長を力強く支えるパートナー
—【松嶋】独立されて、現在はインフルエンサーのクライアントも多いと言われていましたね。
—【不留川】はい。インフルエンサーといってもさまざまな業界の方がいらっしゃるので、各業界のビジネスモデルについて日々勉強しています。
—【松嶋】インフルエンサーのコンサルティングというと、どのようなことをされるのですか。
—【不留川】業界によって異なるため一概には言えないのですが、例えばその領域の次の展開を予測した上で情報をお伝えすることもあります。あとは、コラボ案件の可能性が出てきた場合に、クライアントが取得した方が良い権利を調べる、といったケースもあります。
—【松嶋】クライアントの職種によって、コンサルティングの内容は変わっていくものなのですか?
—【不留川】そうですね。クライアントの職種にもよりますし、社会的なトレンドや技術の発展によってもコンサルティングの内容は変わっていきます。
例えば、HPしかなかった時代は、検索して情報を探すか、もしくはサイト内のリンクを辿らないと目的のページには辿り着けませんでした。しかし、今は関連するサイトが自動的にレコメンドされるようになっていますよね。SNSは特にその傾向が顕著で、予期せぬバズり方をすることもあります。それはメリットでもあり、デメリットとして作用することもあるんです。
—【松嶋】自分がコントロールできない部分での影響が大きすぎるんですね。
—【不留川】ええ。だからこそ、私としては商標登録はマーケティングのための先行投資であり、小さく投資して大きく育てるつもりでマーケティン・ブランディングを考えるのが良いと考えています。ビジネスフェーズによって注力すべきことは異なりますが、特にインフルエンサーの方々(クライアント)には、ブランディングは慎重に考えた方がいいですよ、と伝えるようにしています。
あとはビジネスが拡大していくにつれて、クライアント自身のやりたいことが広がっていくため、それぞれの要望を汲み取りながらコンサルティングするようにしています。
—【松嶋】ちなみに、商標と意匠だと、どちらの方が出願しやすいのでしょうか。
—【不留川】中小企業の方でいうと、商標の方がおすすめですね。意匠の場合は、さまざまなデザインパターンを考えて、権利を取るべきなのかどうなのかを考える必要があります。
というのも、意匠は「もののデザイン」です。最初は目新しい商品だったとしても、時間が経てば陳腐化してしまう可能性もあります。そうすると、その権利を持ち続けることに価値があるのかどうか、という話になってくるわけです。グローバルの大企業は意匠権を持っていますが、その効果を維持するためには莫大な予算が注ぎ込まれています。中小企業が同じような予算をかけられるかというと、それは難しいと思うので。
—【松嶋】知財の権利は、闇雲に取得しない方がいいと。
—【不留川】身も蓋もないのですが、知財の権利はお金を儲けるためのツールなんです。権利を取得したあと、その権利が本当にクライアントのお金儲けに役立つのか?費用対効果を考えて、クライアントにとって権利取得する意味があるのか?それを見極めた上で、知財を出願して権利取得すべきかどうかコンサルティングするのが弁理士の仕事です。ここは弁理士によっても考え方が分かれるところではあるのですけどね。
—【松嶋】こうやって話を聞いていると「気軽に相談できるパートナーのような弁理士がいてくれると心強いのに」と思います。
—【不留川】弁理士の認知度の低さは、私たちとしても大きな課題だと思っています。知財は日常的に馴染みのあるものではないですし、仕方のないことなのかもしれませんが……。
—【松嶋】弁理士の存在を知っていたら、防げたであろうトラブルもたくさんあるでしょうしね。
—【不留川】そうですね。知財に関連することで迷ったら、まずは信頼できる弁理士に相談する、そういった流れが浸透してほしいと心から願っています。
それぞれに考え方や仕事の進め方は異なりますが、弁理士の本来の業務はコンサルティングです。弁理士に依頼するからといって、必ずしも知財の出願をする必要があるわけではありません。
知識がないなかで「どうすれば良いんだろう」「何がベストなんだろう」と考えていてもストレスが溜まっていくばかりですし、そんな状態では適切な判断もできないはず。方向性が定まれば進むべき道が見えてくると思いますし、気軽にご相談いただけると私たちとしても嬉しいです。弁理士のコンサルティングを受けた上で、本当に権利が必要なのかどうかを判断していただきたいです。
KEYPERSONの素顔に迫る20問
Q1. 好きな漫画は?
一番最初に頭に浮かんだのは、浦沢直樹さんの『MONSTER』です。
Q2. 人情派? 理論派?
どちらの面もありますね。弁理士の仕事は理論的に進めなくてはいけない時もありますが、コンサルティングは人情的でないとできないところもあると思います。
Q3. パン派ですか? ライス派ですか?
最近はライスです。フランスに留学していたときはパンが好きだったのですが、帰国してからはお米が好きになりました。
Q4. 都会と田舎のどちらが好きですか?
どちらも好きですが、最近は田舎の方が落ち着きますね。
Q5. 保守的? 革新的?
革新的です。保守的だと新しいビジネスについていけないでしょうし、弁理士の仕事がつまらなく感じてしまうと思います。
Q6. 好きなミュージシャンは?
パッと出てきたのは、マイルス・デイヴィスです。あとはジャミロクワイやレディー・ガガも好きですね。
Q7. これまでに仕事でやらかした一番の失敗は何ですか?
クライアントからのメールを見落としてしまったこと。
Q8. 犬派? 猫派?
猫派です。
Q9. 現実派? 夢見がち?
占いでは現実派と言われたことがあります。
Q10. 今、一番会いたい人は?
真言宗の宗祖である空海です。どんな方だったんだろうと思って、会ってみたいですね。
Q11. 仕事道具でこだわっているのは?
洋服です。最近は昔ほどポンポン購入しなくなりましたが、総額で田舎に別荘が建てられるくらい洋服にはお金をかけていますね。
Q12. どんな人と一緒に仕事したいですか?
同じ方向を見れる方。あとは「クライアントのために何でもできる」と思える方が良いですね。現実的にはできないこともあると思いますが「クライアントのためなら、できることは何でもする」という思いのある方と働きたいです。
Q13. 社会人になって一番心に残っている言葉は?
「人が自分のために使ってくれた時間は、その人の命であることを忘れてはならない」という言葉です。時間を割いてくださっていることを当たり前だと思ってはいけないし、相手への感謝の気持ちを忘れてはいけないと心に念じています。
Q14. 休日の過ごし方は?
旅行に行ったり、ドライブに行くのも好きです。あとは神社仏閣巡りも好きですね。
Q15. 好きな国はどこですか?
フランスとイタリアです。大学では西洋美術史や哲学を専門にしていて、フランスやイタリアの文化には今でも惹かれます。
Q16. 仕事の中で一番燃える瞬間は?
難しい仕事をしているとき。苦しくもあるのですが、一番仕事に打ち込めている瞬間でもあると思います。
Q17. 息抜き方法は?
神社仏閣に行きます。
Q18. 好きなサービスやアプリは?
お寺はすごいサービスだと思います。ご祈祷やお祓いなどさまざまなサービスがありますが、そのどれもが一瞬にして場の雰囲気を変えてくれると言いますか。気持ちをリセットしてくれますよね。
Q19. 学んでみたいことは?
真言密教を本格的に学びたいなと考えています。実は今の目標は、密教学科のある高野山大学に行くことなんです。出家したいわけではないんですけどね。
Q20. 最後に一言
まずは相性の良い弁理士を見つけてみてほしいです。信頼できる弁理士を探すというのは難しいことだと思うのですが、相性のいい弁理士が必ず1人は見つかるはず。ビジネスをスムーズに進めるためにも、相性のいい弁理士を見つけて、気軽に相談してみてください。
ネーミングからブランディングまで、ビジネスを一気通貫でサポート!
—【松嶋】今後、弁理士としてどのようなことに挑戦していく予定なのですか?
—【不留川】実は独立してから、ネーミングのコンサルティングも始めました。先ほどもお話しした通り、商標権はお金を得るためのツールであり、ブランディングやマーケティングをする上で効果を発揮するものなんです。
ネーミングはマーケティング・ブランディングの第一歩ですし、それを決めるというのは非常に重要な工程でもあります。適当に名前をつければいいというものではなく「どういうブランドにしていきたいのか」「そもそも、どういう商品なのか」「どんなお客様にどういうイメージを持って訴求していきたいのか」「どんな価値づけしたいのか」……考えるべきことはたくさんあります。
アイフロンテラ国際商標特許事務所では、ネーミングに関するコンサルティング、もしくはご提案をした上で、知財を取得するかしないかの相談をすることが可能です。出願するとなった場合は、ブランディングやマーケティングにどうやって権利を生かすのか、といった観点でのご相談にも乗っています。
—【松嶋】一気通貫でサポートしていただけるということですね。最後に読者へのメッセージをお願いします。
—【不留川】マーケティングに本格的に取り組もうというときに商標権がないのは、足元がグラグラしている状態であり、本当にこわいことなのです。なので、ネーミングを決めるときには「商標登録できるか」という視点を持っていただきたいと思っています。
大手企業はネーミングを重要視していることが多く、広告代理店から10個ぐらいネーミングの候補をいただいて、それらの権利が取得できるかどうかのリーガルチェックをしてほしいといったご依頼をいただくこともあるんです。弁理士の調査結果を元に、広告代理店がクライアントにネーミングの候補をお渡しする、という流れですね。
そうなると、ワンクッション挟むことで時間がかかりますし、追加費用も発生してしまいます。大手の広告代理店に依頼するほどの企業は潤沢な予算があると思いますが、全ての企業がそういったことができるわけではありません。
私どもにご相談いただければ、ワンクッション挟むことなく、登録できそうな商標を考えた上でのネーミングをご提案できます。また、プロのマーケッターとのコネクションもありますし、ブランディングやマーケティングに関するコンサルティングを通して、最短でゴールに近づくためのお手伝いをさせていただきたいなと思っています。
【クレジット】
取材・構成/松嶋活智 撮影/原哲也 企画/大芝義信